五十肩について

筋肉 運動 痛みの原因

五十肩の原因と対処法、治療法について

1. 五十肩とは?
五十肩、正式には「肩関節周囲炎」は、肩関節周囲の炎症や硬化によって起こる痛みと運動制限が特徴の病態です。50歳前後に発症しやすいことから「五十肩」と呼ばれています。

症状

  1. 初期(炎症期)
    • 肩の痛みが強い(夜間痛が多い)
    • 動かすと鋭い痛みを感じる。
  2. 中期(拘縮期)
    • 痛みが落ち着くが、肩が動かしにくくなる。
    • 「腕が上がらない」「後ろに回せない」といった制限がある。
  3. 後期(回復期)
    • 徐々に動きが改善されるが、時間がかかる。

 2. 五十肩の原因
五十肩の正確な原因は明確ではありませんが、いくつかの要因が関与していると考えられています。

 a. 年齢
加齢に伴う筋肉や関節の変性が主な原因です。特に肩関節の腱や靭帯の柔軟性が低下することで発症しやすくなります。

 b. 過度な使用
肩関節を酷使する仕事やスポーツが原因で発症することがあります。特に重い物を持ち上げたり、繰り返し肩を動かす動作が影響します。

 c. 不動
長期間にわたる肩の不動や休息不足も原因となり得ます。手術後のリハビリ不足やデスクワークなどが該当します。

d. その他の要因
糖尿病や心臓病などの基礎疾患がある場合、発症リスクが高まります。

 3. 五十肩の対処法
50肩の対処法は、痛みの軽減と関節の可動域の回復を目的とします。

 a. 適度な運動
痛みが強い時期は安静が必要ですが、痛みが和らいできたら徐々に運動を再開します。肩関節の可動域を広げるためのストレッチや軽いエクササイズが効果的です。

 b. 温熱療法
温めることで血行が良くなり、筋肉の緊張を緩和します。温湿布や温浴が推奨されます。

 c. 冷却療法
急性期の強い痛みには冷却が有効です。氷嚢や冷湿布を使って炎症を抑えます。

4. 五十肩の治療法
五十肩の治療は、保存療法と外科的治療に分かれます。

 a. 保存療法
多くの場合、保存療法で症状が改善します。

1. 薬物療法: 痛みや炎症を抑えるために、鎮痛薬や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が処方されます。
2. 理学療法: 専門の理学療法士によるリハビリが行われます。超音波治療や電気刺激療法も有効です。
3. 運動療法: 自宅で行う運動療法が重要です。肩のストレッチや強化運動が含まれます。

b. 外科的治療
保存療法で改善しない場合、外科的治療が検討されます。

1. 関節鏡視下手術: 最小限の侵襲で肩関節内を治療する方法です。
2. 開放手術: 重度の症例では開放手術が必要なこともあります。

5. 五十肩に効果的な運動療法
運動療法は、肩の可動域を広げ、筋力を強化するために重要です。以下にいくつかの基本的な運動を紹介します。

 a. ペンデュラムエクササイズ
1. 前かがみになり、患部の腕を垂らします。
2. 腕を小さく円を描くように動かします。
3. 反時計回り、時計回りにそれぞれ10回ずつ行います。

 b. タオルストレッチ
1. タオルを背中に垂らし、両手で握ります。
2. 上の手でタオルを引き上げ、下の手で引っ張ります。
3. 10秒間保持し、3セット行います。

 c. 壁歩き運動
1. 壁の前に立ち、指先を壁につけます。
2. 指を使って壁を歩き、腕を徐々に上げます。
3. 最大限に伸ばしたところで10秒間保持し、3セット行います。

 結論
五十肩は痛みと運動制限を伴う厄介な状態ですが、適切な対処と治療で回復が期待できます。早期の診断と適切な治療が重要であり、自己管理と専門的なリハビリを組み合わせることで、効果的な改善が見込まれます。肩の痛みを感じたら、専門医に相談し、適切な治療を受けることをお勧めします。

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