高齢者に多い「転倒による骨折」— 圧迫骨折と大腿骨頚部骨折に要注意

治療・予防

高齢者にとって「転倒」は大きなリスクです。ちょっとした段差やつまずきが原因で骨折し、そのまま寝たきりになってしまうケースも少なくありません。

特に、高齢者に多いのが「圧迫骨折」と「大腿骨頚部骨折」。この2つの骨折は、痛みだけでなく、生活の質を大きく低下させるため、できる限り予防することが重要です。

今回は、高齢者の転倒骨折の実態・対処法・予防策を詳しく解説していきます。


1. なぜ高齢者は転倒しやすいのか?

年齢を重ねると、筋力低下やバランス能力の低下が起こり、若い頃よりも転倒のリスクが高まります。さらに、骨粗しょう症が進むと、骨がもろくなり、わずかな衝撃でも簡単に骨折してしまいます。

🔹 転倒しやすくなる要因
・加齢による筋力低下(特に脚の筋肉)
バランス感覚の低下(ふらつきやすくなる)
視力の低下(段差や障害物に気づきにくい)
反応速度の低下(とっさに手をつけない)
骨粗しょう症(骨がもろくなる)

転倒がきっかけで起こる骨折の中でも、特に注意すべきなのが圧迫骨折と大腿骨頚部骨折です。


2. 圧迫骨折とは?

✅ 圧迫骨折の特徴

圧迫骨折は、主に背骨(脊椎)が潰れるように折れる骨折です。
転倒時にお尻や背中を強く打った場合に起こりやすいですが、骨がもろくなると、転ばなくても骨折することがあります

🔹 症状
・背中や腰の強い痛み
・動くと痛みが悪化する(特に前かがみになると痛い)
・背中が丸くなる(円背)

🔹 なぜ危険なのか?
・放置すると背骨の変形が進み、姿勢が崩れて歩きにくくなる
・背中が曲がることで内臓が圧迫され、食欲不振や便秘を引き起こす

🔹 治療法
軽度の場合はコルセットで固定しながら安静にすることが基本ですが、痛みが強い場合は骨セメントを注入する手術(BKP手術)を行うこともあります。


3. 大腿骨頚部骨折とは?

✅ 大腿骨頚部骨折の特徴

大腿骨頚部骨折は、脚の付け根(股関節の近く)で骨折するケガです。
高齢者の転倒骨折の中で最も重症化しやすく、寝たきりの大きな原因となるため、特に注意が必要です。

🔹 症状
・転倒後、足の付け根が強く痛む
・足を動かせなくなる
・骨折した側の足が短く見える

🔹 なぜ危険なのか?
手術しないと回復が難しい(多くの場合、人工関節置換術が必要)
歩けなくなると、筋力低下が進み、寝たきりになるリスクが高まる
血流が悪くなり、骨が壊死する可能性もある

🔹 治療法
大腿骨頚部骨折は手術が基本です。骨折の状態によって、骨を固定する手術(骨接合術)か、人工関節置換術を行います
手術後は早めにリハビリを始め、できるだけ寝たきりにならないようにすることが重要です。


4. 転倒を防ぐためのポイント

圧迫骨折や大腿骨頚部骨折を防ぐためには、転倒を予防することが最も大切です。

✅ ① 自宅の環境を整える

・カーペットやマットの段差をなくす
手すりを設置(トイレ・浴室・階段など)
夜間の照明を明るくする(足元灯を活用)
滑りやすい靴下を避け、滑り止め付きの靴下を履く

✅ ② 骨を強くする食事

骨粗しょう症を防ぐために、カルシウム・ビタミンD・ビタミンKを意識した食事をとりましょう。

おすすめの食品
カルシウム(牛乳・チーズ・小魚・大豆製品)
ビタミンD(鮭・サバ・キノコ類・卵)
ビタミンK(納豆・ほうれん草・ブロッコリー)

✅ ③ 筋力をつける運動

転倒しないためには、脚の筋力を鍛えることが重要です。

簡単にできる運動
かかと上げ運動(ふくらはぎの筋力強化)
スクワット(太ももとお尻の筋力アップ)
片足立ち(バランス感覚を鍛える)

特に、片足立ちは転倒予防に効果的です。
1日30秒ずつ、左右の足で行う習慣をつけましょう。


5. まとめ:転倒を防ぐことが最大の予防策

高齢者の転倒による骨折は、圧迫骨折や大腿骨頚部骨折のように、寝たきりにつながるリスクが高いものもあります。

圧迫骨折は背骨が潰れる骨折で、姿勢や内臓にも影響を及ぼす
大腿骨頚部骨折は歩行困難になり、手術が必要になることが多い
転倒予防が何よりも大事!生活環境の見直しと筋力維持がカギ

「ちょっとつまずいただけ」「少し腰が痛いだけ」と軽く考えず、早めの対策を心がけましょう!

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