熱中症は「気温が高いから」だけではない
夏になると連日報道される「熱中症による救急搬送」。
「今日は気温が高いから危ないね」「35度を超えると熱中症になる」──そう思っていませんか?
実は、熱中症のリスクを高める最大の要因は“湿度”なのです。
たとえ気温がそこまで高くなくても、湿度が高いだけで体温調節ができず、命に関わる危険な状態に陥ることも。
この記事では、熱中症の本当の原因である「湿度」に焦点を当て、なぜ危険なのか、どう対策すればいいのかを詳しく解説します。
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◆ 熱中症とは?──身体に何が起きているのか

熱中症とは、高温多湿な環境で体温の調整機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもってしまうことで起こる症状の総称です。
代表的な症状には以下があります:
- めまい、立ちくらみ
- 倦怠感、脱力感
- 頭痛、吐き気
- 異常な発汗 or 汗が出ない
- 意識障害、けいれん
症状が進行すると熱射病という危険な状態に至り、命の危険を伴います。
◆ 湿度が高いと何が危険なのか?
私たちの身体は、暑くなると「汗をかくことで体温を下げる」という自然の冷却機能を持っています。
しかし、湿度が高いと汗が蒸発しづらくなり、体温が下がらないのです。
🔹 湿度が高い → 汗が蒸発しない → 体に熱がこもる → 熱中症リスク上昇
特に日本の夏は「高温+高湿度」という最悪の組み合わせ。
湿度が70%を超えると、たとえ気温が25度前後でも熱中症のリスクは高くなるといわれています。
◆ 熱中症リスクは「WBGT指数」で判断しよう

熱中症対策で重要なのが「WBGT指数(暑さ指数)」です。
WBGTとは、気温・湿度・日射・風など複数の要素から暑さの危険度を数値化したもの。
以下のような指標で危険度が示されます:
WBGT(暑さ指数) | 危険度 | 注意点 |
---|---|---|
31℃以上 | 危険 | 運動中止、外出を控える |
28〜31℃ | 厳重警戒 | 激しい運動は中止 |
25〜28℃ | 警戒 | 激しい運動は注意 |
21〜25℃ | 注意 | 適宜休憩、水分補給が必要 |
WBGTは環境省の熱中症予防情報サイトや天気予報アプリでも確認できます。
「今日は気温が低いから大丈夫」と油断せず、WBGTをチェックする習慣を持ちましょう。
◆ 室内でも熱中症に要注意! 特に湿度管理がカギ
熱中症は屋外だけで起こるものではありません。
特に高齢者や乳幼児は、エアコンを使っていても湿度が高いと発症リスクが高まるため注意が必要です。
✔ エアコンで室温だけでなく「湿度」も下げる
- 除湿機能(ドライ)を活用
- サーキュレーターで空気循環を促進
- 換気を定期的に行う
理想的な室内の湿度は40〜60%程度とされます。
◆ 特に注意が必要な人たち
🔸 高齢者
- 体温調整機能が低下しており、暑さを自覚しにくい
- 汗をかきづらく、熱がこもりやすい
🔸 乳幼児
- 汗腺の発達が未熟で体温が上がりやすい
- 地面に近い場所で過ごすため、気温より高い熱にさらされがち
🔸 屋内作業者・在宅ワーカー
- 熱がこもりやすい閉鎖空間で作業していると、知らないうちに熱中症になることも
◆ 熱中症を防ぐための湿度対策6つのポイント
- 湿度計を設置し、常に数値を確認
- 除湿機能付きエアコン・除湿器を使用
- 扇風機・サーキュレーターで空気を循環させる
- 窓を開けて定期的に換気する
- 室内干しはできるだけ避ける
- 冷却グッズや保冷剤も有効に使う
◆ まとめ:熱中症対策に“湿度”の管理を忘れずに!
熱中症のリスクは、「気温」だけで判断してはいけません。
実は、湿度の高さが体温調整を妨げ、命にかかわる危険な状態を招くことがあるのです。
気温が高くなくても油断せず、湿度を下げることが最大の予防策。
こまめな水分補給と併せて、エアコンの除湿機能や湿度管理アイテムを上手に活用して、この夏を元気に乗り越えましょう!