なぜ「今年」はインフルエンザが拡大しているのか？
2025年秋から、例年にない早さでインフルエンザの患者数が急増しています。流行の中心となっているのは「香港A型 (A/H3)（A/H3）」で、全体の約半数を占めるとの報告もあります。(大正製薬)
さらに「熱や咳など目立った症状がない“かくれインフルエンザ”」も多く、知らずにウイルスを広げてしまうケースが増えているようです。(マイナビニュース)
このような状況を踏まえ、「インフルエンザ対策」を今一度見直すことが重要になっています。
――本記事では、「流行状況」「感染後のワクチン接種の意味」「有効な予防策・日常でできる対策」をわかりやすく解説します。
インフルエンザ流行の現状と背景
早期流行・型の特徴
- 2025年は例年より1か月以上早く流行が始まった地域が多く、流行期間が長期化する可能性が高いとされています。(プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1｜PR TIMES)
- 流行の中心は「香港A型（A/H3）」。この型は重症化リスクがやや高く、ワクチンの効果が得にくい傾向が指摘されているため、特に注意が必要です。(大正製薬)
- 加えて、症状が軽くて「ただの風邪」と思って放置してしまう人から、感染が広がる“かくれインフルエンザ”も問題視されています。(マイナビニュース)
流行拡大の背景
専門家は、以下のような要因を挙げています。(テレ朝NEWS)
- 新型コロナウイルスの流行で長らく抑えられていたインフルへの“集団免疫”が低下したこと
- マスクや手洗いなど、以前のようなウイルス対策への意識の低下
- インバウンドや人の移動の増加によるウイルス拡散の機会の拡大
- 室内空間での換気不足、エアコンによる乾燥と温度低下によるウイルスの活発化
このような背景から、「例年通りの冬」ではなく、「早く・広く・長く」インフルエンザの流行が続く可能性が高まっています。(プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1｜PR TIMES)
2025年冬 ― 新たな変異株「サブクレードK」の急拡大
流行の中心は H3N2 系、特に「サブクレードK」
2025年シーズン、日本全国で報告されているインフルエンザのうち、多くが A 型 H3N2。なかでも最近注目されているのが「サブクレードK」です。 ダイヤモンド・ビジョナリー+2テレ朝NEWS+2
この変異株は、
- 過去の感染やワクチンで作られた抗体をすり抜けやすい
- 既存株より感染力・拡散力が高い可能性
- 発症のピークが例年より早く、冬の初めから流行が始まっている
と報告されています。実際、2025年11月時点で全国の医療機関からの報告数が急増し、“警報レベル超え”の地域が多数出ています。 今日の日本ニュース+2TBS+2
ワクチンは「感染後」「再接種」で意味があるのか？
ワクチン接種の現状と効果
予防接種を受ける人の数は増加傾向にあります。ある調査では、2025年10月にワクチンを受けた人は前年を大きく上回り、流行入りの早さを受けて「早めに接種した」という声が多かったそうです。(大正製薬)
ワクチンは通常、接種から約2週間後に免疫効果があらわれ、効果はおよそ5か月持続するとされています。(プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1｜PR TIMES)
ただし、最近の研究では、ワクチン接種後でも「十分な抗体価」に達する人は必ずしも多くなく（ある調査では12.7％）、それでも未接種者と比べると感染や重症化のリスクは低くなるという結果が報告されています。(臨床研究センター)
「感染後の再接種」はどうか？
よくある疑問ですが、「一度インフルエンザにかかった後でワクチンを打つ意味はあるのか？」については、以下の観点が重要です。
- インフルエンザウイルスは種類（サブタイプ）が複数あり、ひとつかかっても別の型に再び感染する可能性があります。特に今年は流行型が複数あるため、再接種の意味があります。(日刊SPA!)
- ワクチンによって、重症化・合併症、他者への感染リスクを下げやすくなる可能性があります。たとえ抗体価が完璧でなくても、集団防衛の観点から有効と考えられています。(臨床研究センター)
つまり、「感染後であっても再接種・ワクチンは無意味ではない」、むしろ流行状況をふまえると再接種を検討する価値は高いと言えます。
インフルエンザを防ぐための基本対策 ― 日常生活でできること
ワクチンだけでなく、日常生活でできる感染予防策は多くあります。以下の基本を徹底しましょう。
✅ 手洗い・うがい・マスク
ウイルスは手や飛沫から広がります。外出後や人混みのあとは石けんでの手洗い、うがい、マスク着用を徹底。
✅ 室内の換気と湿度管理
特に冬は空気が乾きがち。ウイルスは乾燥した環境で広がりやすいため、定期的に窓を開ける、空気清浄・加湿器を使うなどして空気を循環させ、湿度を一定に保つことが効果的です。
✅ 体調管理と栄養・睡眠
免疫力を高めるには、栄養バランスの良い食事、十分な睡眠が基本。体調に不安があるときは無理せず休息をとること。
✅ 周囲との距離、混雑・密の回避
人が多い場所、密閉された空間では感染リスクが高まります。用事はネットで済ませる、混雑時間を避けるなど工夫を。
✅ 「かくれインフル」「無症状」の可能性に注意
今年は症状が軽い感染が多く、「ただの風邪」と思って過ごす人も。熱がなくても体調不良、だるさ、軽い咳などあれば検査を検討し、外出を控えましょう。(マイナビニュース)
感染後の注意点 ― 再感染や合併症への備え
- 再感染リスク：流行型が複数あると、一度かかっても別の型にかかる可能性があります。ワクチンで再度免疫を補強することが有効。
- 合併症・重症化のリスク：特に高齢者、乳幼児、基礎疾患がある人はインフルエンザから肺炎や脳症など重い合併症を起こす可能性があります。(日本小児科学会)
- 他者への感染防止：発症中だけでなく、完治後もしばらくはウイルスを排出することがあるため、公共交通機関や集団行動は慎重に。
総まとめ――“今こそ”インフルエンザ対策を本気で見直そう
- 2025年は例年以上に早く、広く、そして長期間の流行が懸念される。現状の流行型は重症化リスクもあるため、警戒が必要。
- ワクチン接種は依然として重要。感染後でも再接種を検討する価値は高く、重症化や再感染リスクを減らす効果が期待できる。
- ワクチンだけに頼らず、日常生活での手洗い・換気・湿度管理・免疫力維持など基本対策を徹底することが、感染防止の“第一の防波堤”になる。
- 軽い症状でも「かくれインフル」の可能性を忘れず、無理せず検査と休養を。
今シーズン、インフルエンザの猛威は予断を許しません。あなた自身の健康を守るため、そして大切な家族や周囲の人を守るため、確実な対策をぜひ今のうちから実践しておきましょう。
