「ちょっと疲れたからエナジードリンクでも飲もう」
そんなふうに手軽に飲まれているエナジードリンク。仕事や勉強、スポーツのパフォーマンスを上げるために飲む人も多いですが、その裏には思わぬ危険が潜んでいます。
実際に、世界中でエナジードリンクが原因とされる健康被害や死亡例も報告されており、医療関係者の間でも警鐘が鳴らされています。
この記事では、エナジードリンクが体に及ぼす具体的なリスク、成分ごとの影響、特に注意が必要なケースについて詳しく解説します。
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エナジードリンクとは?

エナジードリンクは「エネルギーを補給するための飲料」として販売されており、以下のような成分が含まれています。
- カフェイン
- 糖分(グルコース、果糖など)
- アルギニン、タウリン、B群ビタミン
- ガラナ、高麗人参などの植物成分
代表的な商品には、レッドブル、モンスターエナジー、リアルゴールド、ZONeなどがあります。
ただし、これらは「清涼飲料水」に分類されており、医薬品や栄養ドリンクとは異なる点に注意が必要です。
エナジードリンクの危険性とは?
エナジードリンクが問題視される最大の理由は、過剰摂取による健康リスクが非常に高いことです。
● 1. カフェインの過剰摂取による健康被害
カフェインは覚醒作用があり、適量であれば集中力や疲労軽減に効果がありますが、過剰に摂取すると以下のような症状が現れます。
- 不眠
- 動悸、心拍数の増加
- 吐き気・めまい
- 不安感・興奮状態
- 脱水症状
▶ カフェインの安全な摂取量は?
- 成人の上限:1日あたり400mg(エナジードリンク2〜3本で超えることも)
- 妊婦・授乳中:200mg以下が推奨
- 子ども・未成年:摂取は避けるべきとされる
エナジードリンク1本(250〜500ml)には80〜180mgのカフェインが含まれるため、短時間に複数本飲むと簡単に危険な水準を超えます。
● 2. 心臓・循環器系への負担
カフェインや他の成分が心臓の働きを刺激しすぎることで、以下のようなリスクが報告されています。
- 心拍数の増加(頻脈)
- 高血圧
- 不整脈
- 心室細動(命に関わることも)
特に、元から心疾患を持っている人は、わずかな量でも症状が悪化する可能性があります。
● 3. 睡眠障害と依存症のリスク

エナジードリンクに含まれるカフェインは作用時間が長く、飲んでから6〜8時間は脳を刺激し続けるといわれています。
そのため、夕方以降に飲むと以下のような問題が起こります。
- 入眠困難
- 睡眠の質の低下
- 慢性的な寝不足
- イライラ・集中力の低下
さらに、疲労感をエナジードリンクでごまかす習慣がつくと、依存状態に陥ることもあります。
● 4. 糖分の過剰摂取とメタボリスク
エナジードリンクには1本あたり20〜50gの糖分が含まれており、これは角砂糖5〜10個分に相当します。
これにより以下のようなリスクが高まります。
- 肥満
- 2型糖尿病
- 虫歯
- 血糖値スパイクによる眠気・疲労感
ノンシュガータイプもありますが、人工甘味料による別のリスク(腸内環境への影響など)が懸念されています。
● 5. 若者や子どもへの健康被害が深刻
特に10代や20代の若者にエナジードリンクは人気ですが、発達途中の身体に強い刺激を与えることは非常に危険です。
厚生労働省も、子どもや未成年にはカフェインを含む飲料の過剰摂取を避けるよう呼びかけています。


世界で報告されている実際の事例
- アメリカ:エナジードリンクを数本連続で飲んだ高校生が不整脈で死亡
- カナダ:カフェイン中毒による緊急搬送例が多数報告
- 日本:2015年、エナジードリンクを常用していた20代男性が肝機能障害で死亡(※当時の報道に基づく)

エナジードリンクを安全に飲むためには?
完全に避けるべきとは言いませんが、以下のポイントに注意すれば比較的安全に付き合うことができます。
✔ 飲むのは1日1本まで
カフェイン・糖分の過剰摂取を防ぐためにも、1日1本(250ml程度)を目安に。
✔ 夕方以降は避ける
就寝6時間前からは控えましょう。
✔ 未成年・妊婦・高血圧の人は控える
健康被害のリスクが高いため、専門家も摂取を推奨していません。
✔ 「疲れの解消」ではなく「一時的な覚醒」として認識する
根本的な疲労回復には、十分な睡眠・栄養・休息が必要です。
【まとめ】
エナジードリンクは手軽にエネルギーを補給できる一方で、飲み方を間違えると深刻な健康被害を引き起こす危険な飲料でもあります。
✔ カフェイン・糖分の過剰摂取に注意
✔ 心臓への負担や睡眠障害のリスク
✔ 若者・子どもは特に要注意
流行やパフォーマンス向上のために飲む前に、「自分の体に本当に必要か?」を考えることが大切です。

